[フェニックス(米アリゾナ州) 23日 ロイター] - トランプ米大統領は23日、アリゾナ州を訪問し、フェニックスで数千人の若者を前に「法と秩序」というメッセージを強調してスピーチを行い、全米で広がる抗議デモを批判した。

トランプ氏は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止していた選挙集会を南部オクラホマ州で20日に再開させた。ただ、集まった支持者は当初選挙陣営が発表していた数を大きく下回った。

アリゾナ州は激戦州の一つで、前回選挙でトランプ氏は僅差で勝利した。今回は各社の世論調査結果でバイデン氏にリードを許している。

トランプ氏はこの日の集会で、抗議活動家が22日夜にホワイトハウス近くにある第7代米大統領アンドリュー・ジャクソン氏の銅像を引き下ろそうとしたことなどを取り上げ「こうした行為は、平和的な政治活動とは言えない。全体主義者や独裁者、われわれの国を愛していない人の振る舞いだ」と批判した。

人種差別や警官の暴力行為に抗議している人は「米国の歴史を嫌っており、米国の価値や米国人として重んじる全てのことを嫌っている」と述べ、「我々は左派のいじめに屈することはない」と強調した。

集会に先立ちトランプ氏は、同州のメキシコ国境との壁の建設現場を視察した。

メキシコとの国境沿いの壁建設はトランプ氏の2016年の大統領選の公約の1つ。トランプ氏は気温が38.9度に達する中、建設中の壁の200マイル分を記念する飾り板にサイン。「私の政権は他のどの政権よりも米国の南側の国境の安全確保に努めた」と述べた。トランプ氏のアリゾナ入りは今年3回目となる。

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