[ワシントン 19日 ロイター] - クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長(金融規制担当)は19日、銀行ストレステスト(健全性審査)について、資本要件の決定には新型コロナウイルス感染拡大前に策定した基準を利用するが、配当金支払いなどの余剰資金の配分方法については、コロナ禍に起因する要因を反映する手法を追加的に採用すると明らかにした。

クオールズ副議長は講演で、新型ウイルス感染拡大による経済への長期的な影響を巡り「前代未聞の不確実性」が存在する中、FRBは3通りのシナリオの下でストレステストを実施すると説明。その結果に基づき、各行が配当金支払いや自社株買い戻しを実施できるかを判断するとした。

FRBは4月、ストレステストにコロナ禍に関連する分析事項を加えると表明。クオールズ副議長によると、景気回復の経過について「V字型」、「U字型」、「W字型」の3通りのシナリオ下で銀行の耐性を検証する部分が新たに追加される。

ただ、銀行の資本要件水準の判断にはストレステストの従来の部分を利用し、新たに追加される部分は利用しないと説明。追加部分は銀行の配当金支払いや自社株買い戻しなどの余剰資本の配分に関する判断に利用されるとした。

FRBは今年の銀行ストレステストの結果を6月25日に公表する。クオールズ副議長によると、ストレステストの従来の部分についてはこれまでと同様に各行別のデータを公表するが、新たに追加するコロナ禍を反映する部分については、各行別ではなく全体としてのデータのみを公表する。