香港人材受け入れ論点に 自民、東京の金融強化を提言
日本経済新聞
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「香港国家安全法」制定による金融専門人材の香港からの流出というよりも、富裕層の流出と金融事業利潤の消失による金融事業者及び専門人材の流出という方向性が正確なように考えます。
昨年春に香港民主化デモが始まってから香港の治安悪化が懸念されるにつれ、同じように金融事業者や専門人材の流出が予測されましたが、実際にはそれほどの変化はまだ起きていないように認識しています。
これは、金融事業者等の視点では結局はそこに利潤が期待できるか否かが重要であり、治安悪化も言ってしまえばその期待利潤を推計する際にインプットするコストの一種に過ぎず、顧客となる富裕層が香港に留まる限り、自らの事業を転出する理由はないためであると考えています。
ただ、今回の「香港国家安全法」成立により、仮に富裕層が域外に流出する動きが大きくなるのであれば、香港域内での事業機会と期待利潤の低減に伴って、金融機関が撤退することも可能性としては考えられます。
一方、そのような流れを機会とし、東京が国際金融都市としての存在感を高めるためには、まずは優遇税制措置等により富裕層の移転先としての魅力を高めることが重要であり、次に金融事業者が期待利潤を大きくできるよう、金融事業立上げ・運営に係るコスト低減の仕組みを充実させる取組みが必要であると考えます。
特に後者については、日本の場合、Asset Management BusinessがFund Management Businessと実質的に一体である等、資産運用事業運営に係るコストが高くなる構造にあり、このあたり金融ビジネスエコシステム全体の機能強化が急がれると考えています。