[ワシントン 11日 ロイター] - 11月の米大統領選に向け民主党候補指名を確実にしたバイデン前副大統領は、トランプ大統領が選挙を盗もうとする恐れがあると懸念を表明した。一方、トランプ氏が選挙に敗れ結果を認めない事態に陥れば、軍が介入すると確信していると述べた。

バイデン氏は10日夜放映されたコメディ・セントラルのトークショー番組「ザ・デイリー・ショー」とのインタビューで、「トランプ大統領が11月の選挙を盗もうとすることが唯一の最大の懸念だ」と語った。

トランプ大統領がどのような不正行為に出ると考えているかについては明確にしなかったものの、トランプ氏が郵便投票に反対していることに言及し、民主党は全米の投票所に弁護士を配置し、共和党側が投票をしづらくさせないよう警戒すると述べた。

新型コロナウイルス流行を背景に利用が拡大するとみられる郵便投票を巡り、トランプ大統領は幅広い不正につながるとして、繰り返しけん制している。

11月選挙で再選を目指すトランプ大統領陣営のマートー広報責任者は「バイデン氏の愚かな理屈にすぎない。同氏は米大統領選の信認失墜に向けた試みを続けいてる」とコメント。その上で「トランプ大統領は、20年大統領選の結果を受け入れると表明している」と述べた。

バイデン氏は、黒人男性暴行死の抗議デモを巡るトランプ氏の対応に元軍高官の間から批判が出ていることに触れ、選挙結果を受け入れない事態になれば「軍が即座にトランプ氏をホワイトハウスから退場させると確信している」と述べた。

米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長はこの日、ホワイトハウス周辺で白人警官による黒人男性暴行死に対する抗議デモを強制排除し、写真撮影のために教会を訪れたトランプ大統領に同行したことは「間違い」だったとし、謝罪した。

トランプ政権発足当初に国防長官を務めたジム・マティス氏も先週、トランプ大統領が米国の分断を図っていると非難し、市民の暴動への対応に軍を動員すべきではないと訴えた。

*内容を追加しました。