[シドニー 11日 ロイター] - オセアニア外為市場の豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルは、最近の高値から押し戻されている。一方、国債価格は大幅上昇している。米連邦準備理事会(FRB)が少なくとも2022年までは政策金利をゼロ近辺に維持すると表明したことが背景。

豪ドル/米ドル<AUD=D3>は0.2%安の0.6982米ドル。オーバーナイトでは、0.7069米ドルまで上昇していた。

NZドル/米ドル<NZD=D3>は、0.2%安の0.6523米ドル。オーバーナイトでは、0.6585米ドルを付けた。

FRBは9─10日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くと同時に、異例の経済支援を継続すると改めて表明した。また、少なくとも2022年まで金利をゼロ近辺に維持するとの見通しを示した。

豪ドルは5月初旬から上昇基調にあり、足元では反落したものの、依然として2019年7月の高値近辺で推移している。当時の政策金利は1%。一方、現在の政策金利は0.25%。NZドルも約4カ月ぶり高値近辺となっている。

オーストラリアとNZは、新型コロナウイルスの封じ込めに比較的成功している。原油や鉄鉱石、金などの商品価格の上昇も豪ドルを下支えしている。

ナショナル・オーストラリア銀行の為替ストラテジストは「5月初旬には豪ドル/米ドルの上昇を十分正当化するのは難しかったが、現在は豪ドルの堅調にそれほど困惑していない」と説明した。

NABは年末までに豪ドル/米ドルは0.72米ドル、来年末までには0.75米ドルに上昇すると予想している。

NZ国債<0#NZTSY=>は上昇し、長期債利回りは約7─8ベーシスポイント(bp)低下した。

豪国債先物は大幅上昇し、3年物<YTTc1>は1ティック高の99.725、10年物<YTCc1>は8.5ティック高の99.08。