[ロンドン 10日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は10日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するロックダウン(都市封鎖)措置が解除されたことにより、英経済が回復する初期の兆候が見られると述べた。ただ、悪影響は依然として長期に及ぶ可能性があると警告した。

世界経済フォーラム主催のパネル討論会で「経済回復の第1段階はまさに制限が解除され、人々が外出できるようになることだ」と指摘。「回復が始まっているという証拠がある」と語った。

具体的な指標には触れなかったものの、5月と6月上旬の企業や消費者に対する調査ではロックダウン措置の解除に伴いある程度回復が見られるとした。

ただ、消費者がレストランなどの利用に慎重になる可能性が高いため、単に制限を解除するよりも回復に時間がかかると予想した。

政府支援はあるものの、倒産を免れられない企業やビジネスモデルを変更せざるを得ない企業などがあるため、悪影響は長期に及ぶ可能性があるとし、「どれほどの傷跡が残るかは分からない。一部との見方が妥当だと思うが、判断は非常に難しい」と述べた。

金融政策に関する言及はなかった。英中銀は来週、金融政策決定会合を開催する。