[ワシントン 10日 ロイター] - ムニューシン米財務長官は10日、新型コロナウイルス救済法案第4弾で、米国民に対する追加の直接給付を本格的に検討すると述べた。また接客業や観光業など事業再開に苦戦している業種への支援も検討すべきとした。

政府の新型ウイルス対策に関する上院中小企業委員会の公聴会で、過去5年間に前科のある経営者は中小企業支援制度(給与保障プログラム、PPP)の返済免除条件付き融資を受けられないとするルールを緩和する新たな指針を今週発表すると指摘。3年間に短縮される見通しとした上で、一段の緩和に前向きであると語った。

さらに雇用創出などを含めた追加のコロナ対策が「絶対」に必要だと強調。「失業者数はかなりの数に上るだろう。何かしらの対策が必要であり、経済支援に向け追加の直接給付を本格的に検討することになる。これは人々の職場復帰のための措置だ」とした。

PPPの融資枠は残り1300億ドル程度だが、黒人暴行死事件を発端とする抗議活動の被害を受けた企業からの申請も受け付けることを検討するとした。

一方で、米経済が再開し始めていることを踏まえ、救済法案第4弾を急ぐべきではないと言及。ただレストランや旅行関連業など再開が遅れている一部業種には支援拡大が必要になるかもしれないと述べた。

また米経済は新型コロナ感染拡大の影響からすでに回復し始めているとし、第3、4・四半期に「劇的に改善する」と想定。雇用を巡る経済指標などで「段階的な経済の再開に向け良好な位置に付けている」ことが示されているとの考えを示した。

PPPを巡っては当初、システム障害で多くの企業が融資を受けづらい状況に見舞われたほか、比較的資金に恵まれている大手上場企業などが数百万ドルもの融資を得ていた問題が明らかになったが、ムニューシン氏は「これだけのプログラムを全国規模で実施したことから、当初は困難な問題も浮上したが、それらは速やかに解決した」と説明。さらに同制度は約5000万人の雇用を支え、全米の中小企業が支払う給与の75%以上を支援していると強調した。

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