[東京 9日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のジェフリー・オカモト筆頭副専務理事は9日、香港の国際金融センターとしての地位は中国だけでなく、世界にとって重要だとの認識を示した。

同氏は、ビデオ会議で「香港は非常に力強い金融セクターと、規則に基づき、十分に統治され、世界に広く認識されている金融システムに支えられている」と指摘。

「香港は中国だけでなく、世界にとって重要だ。われわれは香港の金融ハブとしての地位を維持することを望む」と述べた。

中国は最近開催した全国人民代表大会(全人代)で、反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の制定方針を採択。これを受け、香港の自治が阻害されるとの懸念が高まっている。

オカモト氏はまた、IMFが最新の世界経済見通しを6月24日に公表する予定だとも語った。

新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を背景に世界経済は深刻なリセッション(景気後退)入りが見込まれており、IMFは世界経済見通しの下方修正を余儀なくされている。

同氏は、初期対応では人命や雇用を守るために必要なあらゆる手段を講じるべきだが、感染封じ込めに向けたロックダウン(都市封鎖)措置の解除に伴い政策支援をシフトさせる必要があるとの見解を示した。

「経済再開や成長局面への回帰には異なる政策が必要になる」とし、一部の政策支援は継続すれば、さらに効果をゆがめる恐れがあり、解除することが必要になる可能性があると述べた。詳細には言及しなかった。