[ワシントン 8日 ロイター] - トランプ米大統領は8日、警察への資金配分を維持すると表明した。白人警官による黒人男性暴行死への対応として、警察組織の改革や予算削減を求める声が高まっている。

トランプ大統領はホワイトハウスで連邦、州、地方の警察関係者らと会合し、「資金打ち切りはない。米国の警察組織の解体もない」と言明した。その上で「警察内に危険分子が存在しないことを確実にしたい。しかし、99%は偉大な人材で素晴らしい仕事をしている」と述べた。

これに先立ち、ホワイトハウスのマクナニー報道官は記者会見で、トランプ大統領は警察組織への資金提供停止を求める声にがくぜんとしているとし、フロイドさんの暴行死事件に対し複数の対応策を検討していると明らかにしていた。

黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官による暴行で死亡した事件への抗議デモは全米に広がり、一部では警察に対する予算の削減や停止を求める声が高まっている。

米民主党議員は同日、警察官による暴力と人種差別に対抗する法案を公表。警察の違法行為に対する損害賠償請求の解禁や首を絞める行為の禁止、連邦警察官などへのボディーカメラの着用義務付け、殺傷力の高い武器の使用制限、違法行為が見られた警察署への独立機関による調査の円滑化などが含まれる。

また、11月の米大統領選で民主党候補指名を確実にしたバイデン前副大統領の選挙陣営は、無防備の黒人に対する警察による暴力事件への対応として警察予算を停止する案について、バイデン氏は支持していないと明らかにした。