[ウィーン 7日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁はECBによる資産買い入れを巡り、国債や社債だけでなく株式も対象とすることは「あり得ないとは言わない」と述べた。ただ、ECBは株式買い入れについて議論してはいないとした。

7日付のオーストリア日刊紙プレッセが報じた。

同総裁はECBが株式買い入れを始める可能性はあるかとの質問に対し「あり得ないとは言わない。その必要が生じれば、確実に議論は行われるだろう。ただ、現時点ではそのような議論は行われていない」と述べた。

同総裁が主張している、ECBのインフレ目標引き下げについては「インフレ率を1.5%から1.9%に持っていくことが難しい場合、インフレ期待が低い状況にあれば、別の目標を設定することも可能ではないか」としたが、自身はまだ最終的な意見を形成してはいないという。「ECBの戦略についての基礎的な議論は、新型コロナウイルス危機により延期されている。夏ごろには再開されることになる」との見通しを示した。

また、ラガルドECB総裁が傾斜している環境保護優先を巡っては、グリーンボンド(地球温暖化対策など環境問題に特化した資金調達を目的とする債券)の市場規模が小さいことや流動性に乏しい点を指摘し、慎重な姿勢を示した。