【論文PICKS】若返りは、ここまで「科学」されている

2020/6/6
老いは我々にとって、最も身近なテーマの一つです。
最先端のサイエンスでは、老化を予防することにとどまらず、夢のような「若返り」についても現実味を帯びてきています。
しかし多くの人は、人間の老化のメカニズムを、ほとんど知らないのではないでしょうか。
今回のPaperPicksでは3回にわたり、サイエンスの視点から、驚くべき「アンチエイジング」の世界をレポートします。
初回のナビゲーターは、慶應義塾大医学部の早野元詞氏です。

寿命を延ばす「大前提」

もともとサイエンスによって、寿命を延ばしたいというお話は、どちらかというと欧米人にウケがいいんですね。なぜかというと、長生きするための努力をあまりしたくないからです(笑)。
エイジング(若返り)の研究の歴史は、1939年にマッケイ博士らの研究によって始まります。
人間がどれくらい生きて、いつまでに死ぬかというのは、長らく「運命」が決めるものでした。