【アート思考】気づきを生む「とっておきの鑑賞法」

2020/6/7
アートを通して「思考力」を磨く、これまでにない「美術の授業」のプロセスを書籍化した『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)が大反響を呼んでいる末永幸歩氏。
インタビュー最終話では「課外授業」として、大人の読者が「アート思考」を育むための鑑賞法を紹介しよう。
好奇心と行動が「セット」になる
──生徒たちの反応から、授業にどのような手応えを感じていますか?
末永 生徒が「興味のタネ」を見つけるプロセスや、そこから探究するプロセスを目の当たりにすると、この経験はきっと将来にも生きるだろうと思いますし、それが一つの成果と言えるのではないかと感じています。
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ある生徒の場合、アートで「戦争」を表現しようとしていて、学校中からいらないものを集めてきて、そこに針金をくっつけたり、古くなった絵の具をブシャッとかけたりと、いろいろな試行錯誤をしていたのですが、ある日のこと、家からライターを持ってきて、教室の外で何かを燃やしはじめたんですね。
さすがにびっくりして、教員として「学校でモノを燃やすのはまずいよ」という話はしたのですが、そのことを置いておけば、すごくいいなと思ったのです。
何がいいかというと、美術の課題を「やらされている」のではなく、自分から好奇心を持って行動しているところ。
大人になると「さすがにこれはダメかな」とか「そこまで無理をしなくてもいいかな」などと、自分でストップをかけがちですが、好奇心を優先して実際に行動を起こすところまでやったのがすばらしいなと思いました。
(Danas Jurgelevicius / EyeEm)
──興味のタネから探究の根を伸ばしていくというプロセスは、この先、生徒さんたちが進路を考えたりするときにも重要になってきそうですね。
本当にそう思います。
美術作品の制作を通じて、このプロセスをひと通り経験した生徒たちは、人生にとって必要な「学び」を、すでにマスターしたのだと思っています。
前回紹介した、「自然がつくるアート」を探究した生徒にしても、毎回学校にカメラを持ってきていて、雨が降りだしたとたんにバッと表に飛び出していきました。あれは、その場で行動を起こさなければ誕生しなかった作品です。
そんなふうに、好奇心が行動へと一直線でつながるような感覚は、ずっと憶えていてほしいと思いますね。
「アウトプット鑑賞」のすすめ