[ヒューストン/ニューヨーク 2日 ロイター] - 原油価格が歴史的な安値から回復する中、米シェール企業の間で減産方針を転換する動きが出ている。シェール生産者は価格動向に応じて素早く生産を調整することが可能で、減産延長を検討する石油輸出国機構(OPEC)にとっては対応が難しくなる可能性もある。

米産油業者は供給過剰や新型コロナウイルスの影響による需要落ち込みを受けて4月と5月に大幅な減産を行った。

パースリー・エナジー<PE.N>は2日、この春削減した日量2万6000バレル分の全量について生産再開を計画していると明らかにした。

また、EOGリソーシズ<EOG.N>の幹部は業界の会合で、生産を停止した油井の再開に来月から乗り出すとともに、生産を開始していない油井も稼働させる考えを示した。

アナリストは米国全体の産油量の減少が当初予想より小幅になるとみている。コンサルティング会社ライスタッド・エナジーは6月の米減産幅を日量130万─135万バレルと予想。当初は同165万バレルと見込んでいた。

同社のシェールリサーチ責任者アーテム・エイブラモフ氏は「比較的大規模の生産者が減産分の多くを6月中に再開させるかもしれない」と語った。

生産再開が計画されているのは依然として減産分のごく一部にすぎない。しかし、OPECにロシアなど非加盟産油国を加えたOPECプラスは4日にも開催が見込まれる会合で日量970万バレルの協調減産の延長を検討する見通しで、シェール生産の増加はOPECプラスでの議論を複雑にする可能性もある。