[ロンドン 2日 ロイター] - 英住宅金融会社ネーションワイドが発表した5月の住宅価格は前月比1.7%低下と、2009年2月以降で最大の低下を記録した。新型コロナウイルスの感染拡大が響いた。

前年比では1.8%上昇。4月は同3.7%上昇だった。

ロイター調査では前月比1.0%低下、前年比2.8%上昇と予想されていた。

英政府は先月、イングランドの住宅市場に対する規制を一部緩和。不動産ウェブサイト、ライトムーブは先月30日、サイトの訪問者が記録的な水準に達したと発表していた。

ただネーションワイドは、中期的な見通しは依然として非常に不透明だと指摘している。

パンテオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏も、年内は住宅価格の下落が続くと予想。

「新型コロナ感染症は家計所得に大きな打撃を与え、消費者心理も悪化している」と指摘。「住宅価格は第3・四半期末までに5%下がるだろう」と述べた。

ネーションワイドは、新型コロナが住宅購入者に心理的な影響を与えており、市場の重しになる可能性が高いと指摘。

同社の調査によると、封鎖措置の影響で引っ越しを延期する動きが出ており、住宅購入計画は平均で6カ月先送りされているという。

ネーションワイドによると、税務統計では4月の住宅取引が前年比で53%減少したことが示された。