[東京 1日 ロイター] - 財務省が1日発表した4月の一般会計税収は前年同月比29.4%減の4兆3869億円だった。申告所得税、消費税、源泉所得税が前年実績を大きく下回り、税収の下落率は2009年8月以来の大きさとなった。財務省の幹部は「経済情勢というより、感染症の拡大に伴う申告・納付期限延長という政策対応の影響が大きい」と述べた。

申告所得税は88.5%減の1876億円、消費税は10.4%減の1兆6617億円。感染症拡大防止の観点から、国税庁は2019年度分の申告消費税や個人事業主の消費税などの申告・納付期限を4月16日に延長した。この影響で、口座引き落としによる振替納税分が5月の税収実績に反映されることになった。

前年生じた配当金に関する大口納付の剥落で、源泉所得税は10.8%減の1兆4479億円だった。

4月までの累計税収実績は前年同月比5.1%減の49兆6874億円だった。進ちょく率は82.6%で、前年同月の86.7%を下回った。

19年度税収は、3月期決算企業の法人税収が固まる5月分までを集計して発表される。企業収益の悪化を背景に、政府は昨年12月の19年度補正予算案編成時に税収見通しを62兆4950億円から60兆1800億円に引き下げたが、新型コロナの影響で補正後の税収見通しにも届かない可能性が高いとみられている。

財務省幹部は、19年度の税収実績について「感染症の経済への影響は現時点では申し上げられない。予断を持って答えるのは差し控えたい」と話した。

*内容を追加しました。

(和田崇彦)