[東京 29日 ロイター] - 総務省が29日に発表した4月の完全失業率(季節調整値)は2.6%で、前月(2.5%)を上回った。新型コロナウイルス感染症の影響で、2017年12月以来2年4カ月ぶりの高水準となった。ロイターの事前予測調査2.7%を下回ったものの、完全失業率は上昇傾向にある。

厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍で、前月から0.07ポイント低下。2016年3月(1.31倍)以来の低水準となり、事前予測1.33倍を下回った。

<休業者数は過去最高>

就業者数(季節調整値)は6628万人と前月に比べ80万人減少。これまで就業者数は増加していたが、7年4カ月ぶりに減少に転じた。

就業者数6628万人のうち、休業者は597万人(前年同月比420万人増)で、比較可能な1967年12月以降、過去最高だった。3月の249万人から急増。緊急事態宣言の発出に伴い、さまざまな業種で経済活動が停滞したこと影響した。

完全失業者数は189万人で、前年同月比13万人増加。3カ月連続で増加となった。

<有効求人、宿泊業中心にコロナの影響>

4月の有効求人(季節調整値)は前月比で8.5%減少。特に宿泊業、飲食サービス業で新型コロナの影響が出たという。

4月の新規求人(原数値)は前年同月比で31.9%減少。産業別にみると、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業など幅広い業種で減少し、製造業は同40.3%減だった。

解雇等見込み人数は5月27日時点で1万4829人。給与等の調整など、雇用調整の可能性があった事業所数は2万6115件だった。

厚労省の担当者は4月の結果について「緊急事態宣言の発出に伴う外出自粛要請でサービス業を中心に経済活動が停滞した」と指摘。5月も緊急事態宣言の影響は出るため、「4月と同様、下がり基調になるのは避けられないだろう」とみている。

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(浜田寛子 編集:青山敦子)