[28日 ロイター] -

<為替> ニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドル<EUR=>で上昇。リスク選好が改善する中、欧州委員会が提案した新型コロナウイルス復興基金案が引き続き支援材料となった。

ユーロ/ドル<EUR=>は0.57%高の1.1066ドル。過去3日間では1.6%上げた。

マネックス・ヨーロッパのFXアナリスト、サイモン・ハービー氏は、世界的なリスク選好の改善がユーロを押し上げたと指摘。コロナ復興基金については、官僚的な横やりが入るのは避けられないとし、ユーロのボラティリティーは高止まりが予想されると述べた。

ユーロのインプライド・ボラティリティーは8%超と1カ月ぶりの高水準を付け、予想外の値動きを織り込んだ。

米投資会社パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の信用アナリスト、ニコラ・マイ氏は、コロナ復興基金について、イタリアなどの新型コロナウイルスの打撃が大きかった国などにとって債務の軽減額はごくわずかとなる見込みであり、大きな効果をもたらすものではないと述べた。

<債券> 米金融・債券市場では利回りが上昇。株価が値上がりするなどリスク選好が改善したほか、この日行われた7年債入札はやや不調だった。

ウエルズ・ファーゴ(ノースカロライナ州)の金利ストラテジスト、ザック・グリフィス氏は「最近のリスクオン基調が継続した」と述べた。

10年債利回り<US10YT=RR>は3ベーシスポイント(bp)上昇し0.703%。同利回りは4月上旬以降0.543ー0.785%のレンジで取引されている。

過去最高額となった380億ドルの7年債入札は、需要がやや軟調となった。前日の5年債入札も軟調だった。

経済指標では、23日終了週の新規失業保険申請件数が212万3000件と、前週の244万6000件からは鈍化したものの、10週連続で200万件を上回り、経済活動の一部再開後も新型コロナウイルス流行の影響が続いていることが鮮明になった。

<株式> 米国株式市場は終盤に値を下げ、反落して終了した。トランプ米大統領がソーシャルメディア(SNS)に関する大統領令に署名するとしたことでフェイスブック<FB.O>などが終盤の取引で売られたほか、トランプ氏が中国に関する記者会見を29日に行うと表明したことも重しとなった。

大統領令に関する報道を受け、ツイッター<TWTR.N>は4.4%、フェイスブックは1.6%それぞれ下落した。ホワイトハウスは引け後、トランプ氏が投稿などを巡る訴訟リスクからSNSを保護する法規則を見直す大統領令に署名したと発表した。

米中関係への懸念も終盤の下げにつながったとみられる。国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は28日、貿易や金融の面で香港を中国のように扱う必要が生じる可能性があるとの認識を示した。

インバーネス・カウンセルの首席投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「中国との武力による威嚇を懸念している。このため、大きく売られた」と述べた。

この日の主要株価指数はほぼプラス圏で推移。新型コロナウイルス流行を受けた景気低迷から迅速に回復するという期待が続いた。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、中国の「香港国家安全法」導入方針を受け、小幅上昇した。

中国の全国人民代表大会(全人代)は同日、香港統制を強化する国家安全法の導入方針を採択。これに対し、トランプ政権は強力な対抗措置を取る方針で、「一国二制度」を前提に香港に認めてきた関税やビザ(査証)発給などの優遇措置を停止する可能性がある。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、主要産油国による協調減産や燃料需要回復への期待から反発した。

米エネルギー情報局(EIA)が28日発表した22日までの1週間の米石油在庫統計によると、原油在庫は前週比790万バレル増加した。ただ、市場はガソリン在庫が70万バレル減少したことを好感。新型コロナウイルスの感染拡大で急減した燃料需要の回復への期待が広がった。

石油輸出国機構(OPEC)とロシアを含む非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は6月9─10日にテレビ会議を開き、7月以降の減産延長の是非について協議する予定。ロシア大統領府が27日、プーチン大統領とサウジアラビアのムハンマド皇太子が電話会談し、原油の協調減産で「緊密な調整」を図ることで合意したと発表したことも相場の支援材料となった。

ドル/円 NY終値 107.63/107.66 <JPY21H=>

始値 107.75 <JPY=>

高値 107.81

安値 107.58

ユーロ/ドル NY終値 1.1076/1.1079 <EUR21H=>

始値 1.1006 <EUR=>

高値 1.1093

安値 1.1001

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 94*27.50 1.4625% <US30YT=RR>

前営業日終値 95*18.00 1.4330%

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*10.00 0.6966% <US10YT=RR>

前営業日終値 99*16.00 0.6770%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*17.75 0.3399% <US5YT=RR>

前営業日終値 99*18.13 0.3380%

2年債(指標銘柄) 16時44分 99*28.88 0.1740% <US2YT=RR>

前営業日終値 99*28.38 0.1820%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 25400.64 -147.63 -0.58 <.DJI>

前営業日終値 25548.27

ナスダック総合 9368.99 -43.37 -0.46 <.IXIC>

前営業日終値 9412.36

S&P総合500種 3029.73 -6.40 -0.21 <.SPX>

前営業日終値 3036.13

COMEX金 8月限 1728.3 +1.5 <GCv1><0#GC:>

前営業日終値 1726.8

COMEX銀 7月限 1796.7 +21.0 <SIv1><0#SI:>

前営業日終値 1775.7

北海ブレント 7月限 35.29 +0.55 <LCOc1><0#LCO:>

前営業日終値 34.74

米WTI先物 7月限 33.71 +0.90 <CLc1><0#CL:>

前営業日終値 32.81

CRB商品指数 129.7593 +0.5950 <.TRCCRB>

前営業日終値 129.1643