[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックス・グループ<GS.N>のジョン・ウォルドロン社長兼最高執行責任者(COO)は27日、新型コロナウイルスの感染拡大で経済に悪影響が出ているものの、中・長期的な成長目標を達成できるとの見通しを示した。

ただ経済活動の停止で一定の悪影響が出ており、プライベート・ウェルス・マネジメント部門の人員採用ペースを落とす方針。デジタル・ウェルス・マネジメント商品の販売開始も来年に延期するという。

投資家・アナリスト向けのオンライン会議で明らかにした。

同氏によると、ゴールドマンは今年の世界経済の成長率をマイナス4%と予測。米国では失業率が高止まりするとの見通しという。

このため、クレジットカード・ローンや無担保の個人向けローンなど消費者ローンのポートフォリオの伸びを引き続き抑制する方針。

ただ今回の危機により、一部の新規事業では予想外に業績が拡大した。

リテール部門「マーカス」の貯蓄預金残高は5月下旬時点で800億ドルと、3月末の720億ドルから増加。同社のキャッシュマネジメント・プラットフォームを利用する大企業・中堅企業も175社を超えた。

同氏は、効率性比率60%、有形株主資本利益率(ROTE)14%以上といった1月に示した目標を達成できるとの見通しも示した。

同氏は「中・長期的な目標の下で事業を運営している。(目標から)逸脱していない」と述べた。