雇用調整助成金「活用・検討」50社 主要98社調査
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2008年のリーマン・ショック後と比較し、「非製造業」の企業名も挙がる。各社の雇用施策についての方向性が伺える。
雇調金を利用・利用予定の企業
鉄鋼 :日本製鉄、JFEスチール
輸送機械:ホンダ、マツダ、三菱自動車
機械 :日本精工
小売り :ローソン、小田急百貨店、東急百貨店、松屋
航空 :ANAホールディングス、エア・ドゥ
鉄道 :JR西日本、JR北海道
PICK記事より引用。
”新型コロナウイルスによる経営環境の悪化を受け、大企業で雇用調整助成金を活用する動きが広がってきた。日本経済新聞社が主要企業98社を調査したところ、活用する企業と活用を検討する企業が50社と半数を超えた。
・・・2008年のリーマン・ショック後は製造業が多かったが、今回は「非製造業のニーズも大きい」(経団連幹部)。”
ここからは、ご興味のある方へ。
労働政策研究・研修機構の2017年レポート(参考文献を参照)において、雇調金の受給事業所と非受給事業所の雇用の変化の違いについて分析している。
“雇調金の受給事業所は、非受給事業所に比べて、雇用が低調ないし減少で推移している中で、受給期間中を中心として、入職率を相対的に低く抑えるとともに、総じて離職率も相対的に低く抑えていることが指摘された。同時に、雇調金のネガティブな面として「受給終了後に大きな離職が生じている」、「受給事業所の廃業が受給終了後に集中する」ことが指摘された。
この指摘は、「雇調金はいたずらに無駄な雇用を温存する」、更には「いわゆるゾンビ企業の延命に手を貸している」、「産業構造の転換を遅らせている」などの批判に通じる面もあると考えられるが、むしろ雇調金によって雇用失業情勢の最も厳しい時期を後ろに分散化させるとともに、雇用失業情勢が少し落ち着いた状態で、円滑な再就職を促進する効果を持つという前向きの効果として捉えることが適当であるとしている。“
貴方の立場によって、解釈・受け止め方はそれぞれかと思う。
【参考文献】
労働政策研究報告書 No. 187 雇用調整助成金の政策効果に関する研究 平成29年1月10日 労働政策研究・研修機構
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2016/documents/0187.pdf