[シドニー 26日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は26日、新型コロナウイルスの感染拡大によって打撃を受けた経済を回復させるために労使の和解が必要だと訴えた。

オーストラリアの新型コロナ感染者は7100人余り、このうち死者は102人と先進国の中でも少ない方だが、感染拡大を防ぐために導入した封鎖措置は豪経済を30年ぶりのリセッション(景気後退)の瀬戸際に追い込んでいる。

モリソン首相は経済再生計画の概要を示す演説で、新型コロナの感染拡大を封じ込め、政府の2500億豪ドル(1645億米ドル)規模の景気刺激策も段階的に終了していくため、経済は自立する必要があると指摘。「ある時点で国内経済を集中治療室から出さなければならな」と語った。

モリソン首相は、労組と企業のトップが労使関係の改革を話し合う場を取り持つと約束した。

賃金の伸び悩みを巡り、労使間にはここ数年亀裂が広がっていたが、モリソン首相は、今年は失業率が10%を超える見通しであり、融和的アプローチの機が熟しているとの見解を示した。

また、新型コロナの感染拡大を防ぐため閉鎖している国境について、「近いうちに」開放する計画はないと述べた。隣国ニュージーランド(NZ)との相互往来再開に関しては、協議を継続する考えを示した。

モリソン首相は首都キャンベラの記者クラブで行ったスピーチで、ニュージーランドのアーダーン首相と同日朝に協議したことに言及し、2国間の相互往来再開について話し合いを継続すると述べた。

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