[バンコク 20日 ロイター] - タイ中央銀行の金融政策委員会は20日の政策レビューで、主要政策金利の翌日物レポ金利<THCBIR=ECI>を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低となる0.50%とした。利下げは昨年8月以来5度目、今年に入って3度目。

利下げは4対3の賛成多数で決定した。3人は据え置きを主張した。

ロイター調査では、エコノミスト18人中16人が25bpの利下げ、2人が据え置きを予想していた。

中銀の声明によると、大半の政策委員が、すでに決定済みの財政・金融政策に加え、一段の金融緩和を行うことで新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響から経済を防御することにつながると認識している。

委員会はまた、輸出や観光、国内需要や設備投資が想定以上に冷え込む可能性が高いことから、今年のタイ経済は従来予想よりもさらに縮小する見込みだとの見通しを示した。

中銀は3月、今年のタイ経済は5.3%のマイナス成長になるとの見通しを示していた。これは1997─98年のアジア通貨危機以来の縮小幅となる。

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中銀はまた、経済成長と金融の安定、新型コロナウイルスの影響などを注意深く見守るとし「必要があれば適正な金融政策手段を追加で使用する」用意がある、と述べた。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ガレス・レザー氏は「政策金利がゼロ%にほど近くなったため、中銀は非伝統的手段に目を向ける必要が生じるだろう」と述べた。

政策委員会は、景気回復に影響する可能性があるとして、タイバーツ<THB=TH>の上昇にも懸念を表明した。