[マドリード 20日 ロイター] - スペイン議会は20日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国家非常事態宣言の2週間延長を僅差で可決した。連立与党のほか、野党の小政党が賛成に回った。ただ、国内では外出制限に反対する市民の抗議活動が広がりつつある。

国内の新型コロナ感染症による死者数の伸びは鈍化しており、政府は6月末までに封鎖措置の大半を解除したい考え。それでもなお、サンチェス首相は制限緩和を統制するには、特別な権限が引き続き必要になるとの判断で、国家非常事態宣言の延長を求めた。

「われわれがこれまで達成したことを無駄にする権利は誰にもない」と強調した。

一方、首都マドリードの一部地域やバルセロナなどの都市では、外出制限に抗議する人々がデモ行進を実施。スペイン銀行(中央銀行)は、観光業への依存度が高い同国経済が2020年に最悪ケースで12.4%のマイナス成長に陥ると予想しており、景気悪化で市民の不満がたまっている。

ここ数日は、一部閣僚の自宅の周辺でもデモが繰り広げられた。

政府はまた、公共の場所で人と一定距離を取れない場合にマスクの着用を義務化すると発表した。21日から実施する。

屋内や屋外の公共の場所で、人と2メートルの距離を保つことができない場合にマスクの着用を義務化する。6歳を超える子どもも対象となる。

最新のデータで、スペインの新型コロナウイルス感染症の感染者は23万2555人、死者は2万7888人。ただ、1日当たりの新たな死者数は100人弱に減少している。

*内容を追加します。