中小企業にも資本注入 数百社に500億円規模
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先日発表になった日本政策投資銀行による優先株については、融資と違って元利金の返済義務が無く利払いや元本が返済できないことによるデフォルトリスクは避けられる。議決権もなく経営への関与も制限できる。したがって、コロナによる救済的な性質の資金を注入するやり方としては企業にとっては一番負担が少ないがDBJとしては緻密に事業リスクを精査する必要があり審査に時間を要する必要があり優良先にしか資金が行き渡らないリスクがある。
企業から見ると優先株は良いところばかりにみえるが、デメリットとしては優先株を発行が定款で認められていない場合は定款の変更について株主の承認が必要となる。
また、優先株でありながら内容的に劣後ローンに近いものもあり、実質的に高コストの融資になってしまってないか注意が必要である。
記事にあるファンドによる資本出資については優先株よりもリスクが高く、コロナ禍の状況でスピーディに膨大な数の候補企業を精査できるのかがハードルとなりそうです。国は、わざわざ不得意分野であるこういう目利き力が必要とされる少数選抜型の資金支援に進出せず、得意とする後方多数型の資金支援に徹するほうがよいのではないか。もし国が特定の企業を選んで直接支援をするのなら、Too big too failな国益を左右するような企業に限られると思う(例えばトヨタ)。
そもそも500億円という小さな額では事業者は限られてしまい、それこそ予定調和な企業への私的救済に近い形になってしまいかねない。
これなら、地方の民間金融機関に事業性評価融資や出資をさせてそのデフォルトリスクを国が一部保証するなどの形の方がよいのではないか。出資において、議決権を持つべきスタイルか持たないべきかの線引きは難しいところ。議決権持ってもらって、大胆に変革を起こした方がよい企業もすくなくないのでは?そういう分野は民間PEが動くのかな?
議決権の線引きについては、下記の論文が参考に。
Steven N. Kaplan and Per Strömberg, 2009, Financial Contracting Theory Meets the Real World: An Empirical Analysis of Venture Capital Contracts, The Review of Economic Studies, Vol. 70, No. 2 (Apr., 2003), pp. 281-315
要約は、
https://note.com/masumasu033/n/n52fed5a10533