[東京 19日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比383円69銭高の2万0517円42銭となり、続伸した。オーバーナイトの米国株市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継いだ。

18日の米国株市場では、ダウが3.85%高、ナスダック総合が2.44%高、S&P総合500が3.15%高となった。米モデルナが、開発を進めている新型コロナウイルス向けのワクチンについて初期段階の小規模治験で有望な結果を示したと発表したことが好感された。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が追加の新型コロナ対策を巡る発言をしたことも追い風となった。

日経平均は335円79銭高で続伸スタート。その後も上げ幅を拡大し、一時525円73銭の2万0659円46銭の高値をつけ、3月6日以来の高水準となった。その後は米株先物が軟化したことを受け上げ幅をやや縮小。指数寄与度が高いソフトバンクグループ<9984.T>がマイナス圏に沈んだことも、上げ幅を縮小させる要因となった。

市場からは「モデルナのワクチン開発を巡るニュースで買い上がったが、楽観視しすぎのようにもみえる。先月、レムデシビルの臨床試験が失敗したと伝わったときは株価が暴落した。今回のモデルナの件は小規模治験でもあるので、今後の動きに注目したい」(国内証券)との声が出ていた。

個別ではソフトバンクグループが1.99%安で前場の取引を終えた。18日にアリババ株式を利用した総額115億ドルの先渡売買契約を金融機関との間で締結したと公表したことが好感され、一時3.52%高となったが、その後マイナス転落し、日経平均を20円ほど押し下げた。

TOPIXは1.70%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆2304億8900万円だった。東証33業種では鉄鋼、空運業、海運業、ガラス・土石製品、非鉄金属などの32業種が値上がり。情報・通信業は値下がりした。

東証1部の騰落数は、値上がりが1510銘柄に対し、値下がりが583銘柄、変わらずが77銘柄だった。

日経平均は上げ幅を縮小し2万0400円台後半での推移となっている。米株先物が軟化したことに加え、朝方3%超高となっていたソフトバンクグループ<9984.T>がマイナス転落したことが嫌気されているという。

ソフトバンクグループ<9984.T>は18日、アリババ株式を利用した総額115億ドルの先渡売買契約を金融機関との間で締結したと公表したことが好感され一時3.52%高となった。その後はマイナス圏に沈み、現在2%超安での推移となっている。市場では「アリババ株の売却は一時的には好感されても、今後同社の株の価値を得られなくなるという点ではマイナス」(国内証券)との声が出ていた。「指数寄与度が高く、前日の自社株買いを好感して買い上がっていた部分もあるので、米株先物が軟化すると利益確定売りが出やすい」(同)という。

日経平均は高値圏でもみあい、2万0500円台後半で推移している。米国株高の流れを受け寄り付き後は一時2万0659円46銭まで上昇したが、高値では利益確定や戻り待ちの売りが出ているもよう。

テクニカル的には、上値の節目とみられていた75日移動平均線(2万0528円11銭=18日)を捉えた。終値で同線を上回ることができれば、センチメントはさらに明るくなるとの声も出ている。

米国株市場では、バイオ医薬大手の米モデルナが、開発中の新型コロナウイルス向けワクチンについて初期段階の小規模治験で有望な結果を示したことが好感された。原油価格が持ち直してきたことなども、投資家心理を改善させたという。

寄り付きの東京株式市場で、日経平均は前営業日比335円79銭高の2万0469円52銭となり、続伸した。その後、上げ幅を500円超に拡大し、2万0600円台半ばまで強含んでいる。

オーバーナイトの米国株市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継ぎ、東京市場も高く始まった。世界の経済活動再開への期待も支えとなっている。業種別では、鉄鋼、空運、鉱業、非鉄金属などが高い。

市場関係者によると、寄り前の板状況は、トヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、キヤノン<7751.T>、ソニー<6758.T>、パナソニック<6752.T>など主力輸出株が買い優勢。

指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>、ファナック<6954.T>は買い優勢。

メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>が買い優勢となっている。

*内容を追加します。