[ワシントン 15日 ロイター] - 米労働省が15日発表した3月の雇用動態調査(JOLTS)は、レイオフ・解雇件数が950万件増の1140万件と、集計を開始した2000年以降で最高水準となった。一方、求人件数は減少したほか、自発的な離職件数は4年半ぶりの低水準となった。新型コロナウイルス危機が雇用市場の動向を急速に変化させている。

エコノミクス・ポリシー・インスティテュートのシニアエコノミスト、エリーゼ・グールド氏は、3月のJOLTSは新型コロナ感染症によって壊滅状態となった労働市場の姿を改めて示したと述べた。

労働省の労働統計局(BLS)は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)がデータの集計に影響を及ぼしたと指摘。新型コロナの影響をより反映させるために3月の推計値を修正したと発表した。

レイオフ・解雇件数は、宿泊・食品サービス業が最も多く410万件。小売業は90万8000件だった。

レイオフ・解雇率は7.5%と過去最高。2月は1.2%だった。

自発的な離職件数は65万4000件減の278万件。15年9月以来の低水準だった。自発的な離職率も1.8%と2月の2.3%から低下し、14年12月以来の低水準だった。

求人件数は81万3000件減の619万件と17年5月以来の低水準。宿泊・食品サービス業や製造業での減少が目立った。求人率は3.9%と、2月の4.4%から低下した。

採用件数は65万8000件減の520万件。採用率は2月の3.8%から3.4%に低下した。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフ金融エコノミスト、キャシー・ボストジャンシク氏は「景気回復に伴い一部の雇用は回復するだろうが、雇用の低迷は21年まで継続する」と述べた。