[東京 15日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比60円75銭安の1万9854円03銭となり、続落した。前日の米国株式市場が後半になって大きく持ち直したことやドル/円が円安に振れたことで、朝方は堅調な始まりとなった。しかし、上値を買う材料が見当たらず、週末のポジション調整の動きもあり、徐々に値を消す展開となり2万円を割り込んだ。

14日の米国株式市場で主要3指数は下落して始まったが、その後大きく持ち直した。各州の経済再開への動きや追加経済対策の可能性が支援した一方で、トランプ米大統領の対中貿易を巡る発言やさえない経済指標などの悪材料も意識された。

外為市場でドル/円が107円台まで円安に振れたことで朝方から輸出関連株が広範囲に買われたが、徐々に伸び悩む展開となっている。市場では「日経平均が2万円を超えると戻り売りが活発化し、重さを感じさせるようになる。今の段階では上昇トレンドを維持しているが、25日移動平均線を割り込むと調整ムードが強くなりそうだ」(国内証券)との声が聞かれた。

立ち会い時間中に、中国の国家統計局が4月の中国鉱工業生産が前年比3.9%増(予想は1.5%増)、4月の中国小売売上高が前年比7.5%減(予想は7.0%減)と発表したが、これらが材料視された雰囲気は感じられない。週末とあって、後場は模様眺め気分が広がるとの見方が出ている。 TOPIXは0.32%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は9872億5600万円と商いは膨らんでいない。東証33業種では、鉱業、倉庫・運輸業など11業種が上昇し、不動産業、水産・農林業、食料品など22業種が値下がりした。

個別では、東京エレクトロン<8035.T>などの半導体関連株が堅調に推移したほか、ソニー<6758.T>もしっかり。半面、トヨタ自動車<7203.T>が朝高の後に値を消す一方、日清製粉グループ本社<2002.T>が大幅安。ファーストリテイリング<9983.T>もさえない。 東証1部の騰落数は、値上がりが712銘柄に対し、値下がりが1379銘柄、変わらずが77銘柄だった。

日経平均は前日比マイナスに沈んだ。時間外取引で米株先物が軟化していることや、週末とあってポジション調整の動きが出やすいという。午前11時に発表された中国の経済指標に対しては、今のところ反応薄となっている。

中国の国家統計局は15日、4月の中国鉱工業生産が前年比3.9%増(予想は1.5%増)に、4月の中国小売売上高が前年比7.5%減(予想は7.0%減)になったと発表した。

日経平均は上げ幅を縮小し再び2万円を割り込み、1万9900円台半ば。市場からは「通常であれば決算の内容は発表後すぐ織り込まれるが、今回は新型コロナの影響もあり、消化不良を起こしていた。決算はきょうピークを迎えるため、徐々に精査し織り込み始めている可能性が高い」(国内証券)との声が聞かれた。

そのほか「きょうは日本時間午前11時に中国の鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資の発表も控えているため、それまでは様子見ムードとなる可能性が高い」(別の国内証券)との声も出ていた。

東証33業種では鉱業、倉庫・運輸関連、海運業、などの20業種が値上がり。水産・農林業、不動産業、食料品などの13業種は値下がりとなっている。

寄り付きの東京株式市場で、日経平均は前営業日比235円01銭高の2万0149円79銭となり、反発してスタート。前日の米国株式市場が反発したことを受け、買い優勢となっている。主力輸出関連株も総じてしっかりとしている。

市場関係者によると、寄り前の板状況は、トヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、ソニー<6758.T>が売り買い拮抗、キヤノン<7751.T>、パナソニック<6752.T>が買い優勢。

指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>、ファナック<6954.T>が買い優勢。

メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>が売り買い拮抗となっている。

*内容を追加します。