[マドリード/バルセロナ 7日 ロイター] - スペインでは新型コロナウイルスの感染拡大が抑制されつつある中、各地で制限措置のさらなる緩和に向けた動きが出ている。ただ、感染状況が深刻な首都マドリードと主要都市バルセロナでは当面、厳しい規制が継続される可能性がある。

スペイン議会は6日、新型コロナの感染拡大を受けた非常事態宣言の期限を2週間延長することを承認した。これにより、政府は引き続き、感染拡大抑制策を段階的に緩和しながら人々の移動を制限し、危機の終息を目指すことが可能となった。[nL4N2CO3HT]

同国保健省によると、7日の新型コロナ感染による死者は213人と前日の244人を下回った。4月上旬に記録した過去最多の1000人近くからも大幅に減少している。

政府は制限措置を4段階に分けて緩和していく計画で、6月末までに完全な正常化を目指している。各地域は病院の受け入れ体制が十分かどうかなど複数の条件を満たした場合、新たな段階に入る申請が必要となる。

北東部のカタルーニャ自治州政府は6日、バルセロナ都市圏について、再び感染者が急増するリスクが中高程度あるとし、準備期間の「フェーズ0」から11日に移行する「フェーズ1」の対象に含めない考えを示した。

また、マドリードでは地方政府がフェーズ1への移行を申請したが、その後、地元保健当局トップのヨランダ・フエンテス氏が7日夜に辞任した。

ヨーロッパ・プレスによると、同氏はマドリードが次の段階に進むことに反対していたという。

当局は同氏の辞任の理由についてコメントを控えた。同氏からのコメントは得られていない。

マドリードのあるカフェのオーナーは、当局から変更の連絡がない限り、11日正午から営業を再開する計画だとし、従業員は手袋とマスクを着用し、顧客はスマートフォンで注文できるようにすると語った。

このほかの地域もフェーズ1に入る申請を既に行っており、これらの地域では円滑な移行が見込まれている。