[ブリュッセル 6日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は6日、イタリアの公的債務の対国内総生産(GDP)比率は2020年は158.9%と、戦後最悪の水準に上昇するとの見通しを示した。

イタリア政府は4月末の時点で、今年の比率は155.7%に上昇するとの見方を示していたが、欧州委の予想はこれを上回った。19年の比率は134.8%と、EU加盟国の中で2番目に高かった。

欧州委は4月23日までに収集した情報をもとにイタリアの20年のGDPを試算。1─6月は18%のマイナス成長、通年では9.5%のマイナス成長になるとした。ユーロ圏全体では20年は平均7.7%のマイナス成長が予想されている。

イタリアの財政赤字の対GDP比率は20年は11.1%に上昇するとの見通しを示した。

ただ21年については、経済成長率はプラス6.5%を回復すると予想。財政赤字の対GDP比率もやや低下するとの見方を示した。

イタリアの新型コロナウイルス感染による死者数は世界で3番目に多い約2万9000人。世界的な拡大の初期に国内で大規模に感染が広がったことで痛手は深く、ジェンティローニ欧州委員(経済担当)は「イタリアは他のユーロ加盟国よりも回復に時間がかかる」と述べた。