新型コロナ 政府、PCR検査陽性率把握できず 全国集計基準なし
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陽性率というのは新規に検査を受けた人の中で陽性だった人がどれだけいたかを示す数字です。十分なPCR検査を行えているかどうかの一つの指標になりますが、国で集計する仕組みが整っておらず、未だに正確な数字が把握できていないとのこと。
陽性率が低い国ほど、死亡者数が抑制できているという解析結果もあります。対策の効果を評価し、出口戦略を練る上でも重要なデータになると思うので、これが把握できていないのはとても残念です。
一方、政府の専門家会議は4日の会見で、国内のPCR検査の陽性率が平均で5・8%で、緊急事態宣言後は低下傾向にあるというグラフを、ポジティブな要素として示しました。
報告書全文をよく読めば、補足しきれていない数字があるという「ただし書き」はあり、会見中でも少し言及されていたのですが、具体的な数字までしっかり示しているので、この会見を見て、「なるほど、PCR検査数を拡充する必要はあるけれども、陽性率がこのレベルであれば、感染の実態に照らして大幅に不足しているというわけではないんだな」という印象を持った人も多いのでは(実を言うと、私自身がそうでした。今回の会見の中で一番、印象に残ったデータだったくらいです)。
でも、その根拠の数字が不正確なのだったら、ポジティブな要素としてこのグラフを出す意味はあまりなかったのでは、と思わざるをえません。
※専門家会議が4日に出した「状況分析・提言」はこちら
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/jyoukyou_bunseki_0504.pdf
PCR検査を拡充するだけではなく、陽性率も、できれば過去の分も含め正確に把握できる仕組みを早急に整えてほしいところです。可能な限り、地方の自治体や保健所、検査機関などの負担が増えない形で。この段階でこういう数値の全国集計が有効にできないのは大問題。
(地域によって、検査数の把握手法と集計タイミングが異なる)