[ロンドン 5日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)は5日、新型コロナウイルス感染拡大による影響が約10年前の世界的な金融危機と同程度に拡大した場合、銀行は資本不足に陥る可能性があるとする報告書を公表した。

BISによると、新型ウイルス感染拡大が始まった時点では銀行が保有する資本は最低要件を約5兆ドル上回る水準にあった。ただ、新型ウイルス感染拡大の影響が世界的な金融危機と同規模に膨らんだ場合、銀行資本が最低要件を上回る額は約2700億ドルまで縮小すると試算。この規模の銀行資本で支えられる融資は1兆ドルと、世界的な融資の1.3%程度にとどまるとの見方を示した。

その上で、感染拡大が続いている間は銀行の融資能力の保全に向けた取り組みが必要になるが、銀行の資本比率の低下の予防も必要になるとの見方を示した。