ネットフリックスが「アニメ」を重視する理由
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Netflixが日本に進出した頃にインタビュー取材しましたが、日本アニメに期待しているのは世界市場の開拓だということが印象に残りました。日本ではアニメは大人のものでもありますが、世界ではアニメは子供用というのが常識。日本の大人アニメは世界にはごくわずかしかない新たな市場を開拓する強力な武器になるという戦略です。その成果ははっきり現れているようで、データは明らかにされていませんが、日本アニメは日本で見られるより世界での方が圧倒的に多く見られているそうです。
アニメは制作費も制作時間もドラマやバラエティと比べてベラボーに多くかかります。なのでテレビでは製作委員会方式がほとんどで、コストにかかるリスクを分散しています。その分、様々な配慮が必要でその調整も大変。少なくともクリエイター側からすれば、世界配信というこれまでにない魅力的な選択肢が増えたのは、本当に良かったと思います。
ただし問題は生産力。実は日本のアニメの生産はとっくに限界を迎えていて、もうこれ以上作れないというところまで来ています。その原因は人材不足。能力の低い人が100時間かけて描いたものより、能力のあるベテランが1時間で描き上げたものの方が価値が高いということはよくあるそうです。ですから制作サイドの平均年齢はどんどん高くなっていっているそうです。発注する側も、新人を育てるよりベテランをあちこちで使いまわすように仕事を頼んだ方が、コストも低くクオリティーも高くなるので、新人育成が進んでいないのが、アニメ業界の深刻な問題です。
世界に誇る日本アニメは、ネットフリックスやアマゾンなどグローバル巨大企業が圧倒的な財力を投入するので業界の懐は潤いますが、それだけで未来が明るいとはとても言えません。期待と危機感の双方をあおる好記事。ネットフリックスは日本のアニメが世界展開する救世主となる。樹林伸さんが指摘するとおり、これまでのテレビビジネスに比べ自由度が大きい。
一方、データがブラックボックスで下請けになってしまうことや、大ヒット作が出にくくて2次収益が限られるという傾向もある。
制作側は世界向け配信と国内向けテレビとを使いこなしたいところ。ただそれもアニメ制作力が保たれることが前提。韓国など力をつけた海外制作会社との競争という新しい波もやってきています。>そしてネットフリックスがいま力を入れているのが、アニメの独自制作だ。国内で第1弾となるのが、2020年中に公開予定の「エデン」。同作品では脚本から監督の選定、作画の手法までネットフリックスが関与した。
小売大手でPB売上を伸ばしたように、大量の利用者を抱えるプラットフォーム側にとって、競合サービスとの差別化、高い収益率の確保のためオリジナルコンテンツを確保することは避けて通れないですね。
電子書籍業界においても同様の流れがありそうです。
コンテンツ提供側からすれば対等な関係でなければ記事内に記載あるような不安も出てくるでしょう。
長きにわたって広く受け入れられるコンテンツはファンが根強く2次収益にも繋がりやすいので、広がりを前提としてコンテンツ提供者との対等な関係が築ける事が長期的には良さそう。