[東京 30日 ロイター] - 経済産業省が30日発表した3月鉱工業生産指数速報は前月比マイナス3.7%の95.8となり、2カ月連続で低下した。新型コロナウイルスによる世界的な需要減で、自動車・鉄鋼・半導体製造装置など幅広い業種での減産が響いた。

ロイターの事前調査での予測は同5.2%低下だった。

経産省は、新型コロナウイルス感染症の影響が急速に拡大し、3月の指数は2013年1月以来の低水準まで下がったと指摘。基調判断を「生産は低下している」と下方修正した。基調判断で「低下」との表現を用いたのは2012年9月以来。

業種別では、15業種のうち13業種が前月比低下、2業種が前月比上昇。特に、自動車工業、生産用機械工業、無機・有機化学工業を始め、幅広い業種で大幅な低下がみられた。自動車および関連部品の輸出減と生産停止、半導体製造装置・産業用ロボット・特殊鋼などの輸出減が響いた。

生産予測指数は4月が前月比1.4%上昇、5月が同1.4%低下となった。

予測指数は上振れする傾向があり、これを補正した試算値は4月で前月比1.3%低下。もっとも、調査時期は4月上旬で緊急事態宣言実施による影響は十分織り込まれていないため、「実績は下振れる可能性があり、生産は今後も厳しい動向が続く」(経産省幹部)とみられる。

*内容を追加しました。

(竹本能文 グラフ作成:田中志保 編集:石田仁志、田中志保)