【WEEKLY OCHIAI】中間層に迫る危機。「コロナ格差を考える」

2020/4/28
「WEEKLY OCHIAI」では、新型コロナウイルスについての最新情報の解説とコロナショックがもたらす新しい未来の可能性をめぐって、落合陽一と各界のプロフェッショナルによる“ハードトーク”をお届けしています。次回4月29日(水)は「コロナ格差と教育」について考えます。
次回4月22日(水)22時からのライブ配信は無料(配信後のオンデマンド視聴はプレミアム会員限定です。)
なぜ「格差と教育」を考えるのか
次回、4月29日(水)のテーマは「格差と教育」。
石破茂氏と宮田裕章氏とともに「危機のリーダーシップとコロナ後の世界秩序」を考えた前回(4月22日)の配信を振り返ります。
前回4月22日(水)の配信はこちらから視聴いただけます。
コロナ危機が加速させる「格差」
落合 中間層の維持はロックダウンと真逆の考え方だ。
セーフティネットになっていたような産業が衰退してしまい、長期に渡って続けるほど、中間層はなくなっていき社会情勢が不安定化する。
富める者はより富むがそれ以外は富まなくなる。
前回、4月22日(水)の配信「危機のリーダーシップとコロナ後の世界秩序」の中で、落合陽一は格差への懸念を投げかけた。
新型コロナウイルスによって人の移動が極端に制限され、様々なものがオンラインに代替されDXが加速していく。
彼の危機感は、こうした状況において、デジタル・ディバイド(情報格差)によって教育や雇用の機会、それに伴う貧富の差がさらに拡大していくのではないかというものだ。
落合 ロックダウン下では世帯の資本力が社会と接続するためのキーとなっており、デジタル・ディバイド(情報格差)はより困窮していく。
例えば教育のデジタル化を実施するにしても、自宅に巨大なディスプレイと高機能のスピーカーがある裕福な家庭と、親のスマホを使ってeラーニングを受けている家庭とでは教育の質が全然違ってくる。
「教育をなんとかしなければならない」
また、慶應大学医学部教授の宮田裕章氏も「ロックダウンは一斉遮断であるものの、不平等な施策である」と話す。
宮田 アメリカはこの問題が特に顕著である。日雇い労働者などといった一番困窮している層が最もダメージを受けている。
また、そういった層での感染拡大が進み、社会全体が大きなダメージを受けている状況だ。
フランスのマクロン大統領は「教育をなんとかしないといけない。ロックダウンをしていると貧しい子どもたちが教育を受けられない。それは国全体の未来にとって由々しき自体である」と、教育現場の一足早い再開を示唆している。
「国の設計図を書き換える契機に」
こうしたコロナショックに伴って顕在化する格差問題に対して、自民党で衆議院議員の石破茂氏は国家が示すべきリーダーシップについて語った。
石破 形式的には民主主義でもごく一握りの富める層が、富の半分以上を持っているというような社会を作ってしまったら民主主義である意味がない。
株価さえ高ければいいのか?経営者が儲かればいいのか?誰か犠牲にする経済は絶対に弱いんだと強い意志をし政治が持つこと、そして、有権者がそれに共感してくれること。
この災害を「国の設計図そのものを変えようよ」という契機にしていかないといけない。そういった国のリーダーシップが今問われていると思う。
次回は山口周×松田悠介×竹中平蔵
4月29日(水)22時よりLIVE配信(配信後のアーカイブ視聴はプレミアム会員限定となります。)
前回の議論を受けて、4月29日(水)に配信する今週の「WEEKLY OCHIAI」は格差と教育にフォーカスします。
コロナショックで加速するデジタル化によって、教育や雇用で格差がさらに広がっていくのか?この問題に私たちはどう対応すべきなのか?
竹中平蔵氏、山口周氏、さらにCrimson Global Academy日本代表の松田悠介氏をゲストに迎え、徹底的に考えます。
<執筆:具嶋友紀、編集:安岡大輔>