【新】今こそ「充実した人生」のための戦略を練るチャンスだ

2020/4/24
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、予防医学研究者の石川善樹氏だ。
専門分野である予防医学や行動科学の領域にとどまらず、様々な分野を縦横無尽に越境する異能の学者が、このたび新刊『フルライフ』(NewsPicksパブリッシング)のテーマに選んだのは、充実した人生(フルライフ)を実現するための「時間戦略」だった──。
【フルライフ全文公開】3ヶ月先が見えない時代の「戦略」
自宅待機がスタンダードになったコロナ下の日常で、時間だけはたっぷり手にしている私たち。その中で、逆に時間の使い方がわからなくなっている人も多いだろう。今こそ真剣に向き合いたい「時間」というテーマについて、全3回で考察する。
石川善樹(いしかわ・よしき)
1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業が大学と学際的研究を行う。専門は予防医学、行動科学、計算創造学、概念工学など。近著に『考え続ける力』(ちくま新書)、『継続とは「小さな問い」を立てること』(ダイヤモンド社)など。

人生は3つの「間」で構成される

──これまで人間関係からダイエットまで、著作の中で様々なテーマを扱ってきた石川さんですが、今回満を持して「時間戦略」というテーマを選んだ理由は何だったのでしょうか?
石川 最初、編集の方には、どうすれば「グッドライフ」を送ることができるのかを語ってくださいと言われたんです。でも、「グッドライフ」の定義は人それぞれ。それを僕が語るのはおこがましい。
一方で、「グッドライフを目指す」のは難しくても、「バッドライフを避ける」ことはできるのではないか。そこを起点に、僕なりに考察してみた結果、「時間」というテーマに行き着いたのです。