[オタワ 22日 ロイター] - カナダ統計局が22日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.9%上昇と、2015年5月以来、4年10カ月ぶりの小幅な伸びにとどまった。新型コロナウイルスによって原油が供給過剰状態となりガソリン価格が急落した。市場予想は1.2%上昇だった。

2月は2.2%上昇していた。

ガソリン価格を除くCPIは3月に1.7%上昇だった。

アクション・エコノミクスの上級エコノミスト、ライアン・ブレヒト氏は「カナダのCPIは3月に大幅に減速し、市場予想を上回る鈍化だった。ただ、外出禁止指令による経済への深刻な打撃や原油価格の急落を踏まえると驚きではない」と述べる。

カナダ銀行(中央銀行)は先週、ガソリン価格の大幅下落を受け物価上昇率が第2・四半期にゼロ付近まで落ち込む可能性が高いと述べた。

BMOフィナンシャルグループの首席エコノミスト、ダグ・ポーター氏は「向こう数カ月間で物価圧力がゼロか、マイナスになることは大いにあり得る」と述べる。「4月の物価統計は、集計が非常に難しいと思う。4月以降の統計は少し疑わしいものになるだろう」と付け加えた。

カナダ当局は、新型ウイルスの感染拡大を抑える対策の一貫として、3月中旬から必須でない事業を全て閉鎖し、自宅待機を勧告した。

カナダ統計局は、3月の集計は大方、新型ウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響を受けていないと述べた。

3月のCPIの内訳は、エネルギー価格が前年同月比11.6%下落。ガソリンは21.2%下落した。

中銀が景気の伸び悩みを判断する際に最も重視するCPIコモンは1.7%上昇。CPI中央値は2.0%上昇だった。上下に外れた値を省くトリム値は1.8%上昇した。