[モスクワ 20日 ロイター] - ロシアのエネルギー省は国内石油企業に対して、原油生産を2月の水準から約20%削減することを指示した。業界関係者2人が20日、ロイターに明らかにした。これによりロシアの原油生産は、主要産油国と合意した協調減産で目指す水準を達成できる見通し。

石油輸出国機構(OPEC)と、ロシアなど非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は、新型コロナウイルス危機を受けた需要低迷で供給過剰が続くなか、5月と6月に日量970万バレルの協調減産を行うことで合意している。

米国やノルウェーなどOPECプラス合意の枠外の国も減産に動けば、世界全体で減産規模は日量2000万バレルに達し、世界の原油生産の約20%の削減が可能になる。

OPECプラスの合意でロシアは5月以降、基準となる日量1100万バレルから日量250万バレルの減産が求められる。この基準は原油だけで、コンデンセート油(軽質油)は含まれない。

ロシアのコンデンセート油の生産は日量60万─70万バレル程度。原油とコンデンセート油の内訳は公表していない。2月のコンデンセート油と原油を合わせた生産は日量1129万バレルだった。

関係筋によると、エネルギー省は先週、国内石油企業に対して、2月の水準から19─20%の減産を指示した。これによりロシアの原油生産は、OPECプラスの減産目標を達成できることになる。