[ワシントン 20日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀が20日公表した研究論文は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために米経済に課されている制限措置について、新型ウイルス流行のリスクと労働者の経済ニーズの最適なバランスを取るのに必要なレベルの倍におよび、厳し過ぎる可能性があると指摘した。

論文では、米運輸省などの連邦政府機関と同様に、統計的生命価値を1150万ドルに設定。これを基に、より多くの労働者を休ませ続けることとソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の緩和のトレードオフ(損失評価)を分析した。

その結果、若い労働者は現状より緩やかな制限だったほうが経済的利益が大きかったのに対し、より高い年齢層にとっては経済的利益よりも新型コロナから守られることが重要であり、現在の制限措置では後者の方がより恩恵を受けていると結論付けた。

その上で、双方の妥協点として、現在より緩い制限措置を7月末まで続けることで「最適の」結果が得られるとした。

また、研究グループは、経済的制限が7月1日までにほぼ解除される場合、米国の新型ウイルスによる死者は向こう1年半で41万8000人に上ると予想。トランプ政権が用いる想定では、8月初めまでの死者を6万人程度と見込んでいる。