【解説】コロナ抗体検査は「外出してもOK」の目安になるか?
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新型コロナウイルスに対する抗体を作るには実際に感染するか、ワクチンを摂取する必要があります。
抗体検査は血液から簡便に行えるキットが開発されてきているので、今後各国がこぞって増産し、大規模検査をはじめるでしょう。
抗体がある人から社会に復帰する出口戦略が現実的ですが、充分な抗体量をどれくらいの期間維持できるかやインフルエンザのように何度も発症しうるのかなど未知なことが山程あります。最新の研究から目が離せませんし、最新のScienceをベースとした出口戦略を各国政府が臨機応変に作っていくことに期待したいです。「免疫システムの異なるパーツが、それぞれどう機能するのか、多くのことがわかっていません」
大学院時代の研究で免疫を扱いましたが、生体の中でも最も複雑な領域の1つで、白血球の分化、抗原抗体反応、インターロイキンを始めとする細胞のシグナル伝達はあまりにも複雑です。
物理学者リチャード・ファインマンの名言で「もしも量子力学を理解できたと思ったならば、それは量子力学を理解できていない証拠だ」というのがありますが、まさにそんな世界。
とはいえ、免疫システムの未解明な部分、検査精度を理解した上で、抗体検査を活用していく必要があると思います。ワクチン・治療薬がない今、(ソーシャルディスタンスという対処を除けば)人の免疫システムがコロナへの唯一の対抗手段です。
Newspicksでも徐々に生体系の解説記事が増えてますが、コロナの問題に向き合う中で(特にこうした免疫証明書等の導入を議論する上で)、研究者のみならず、一般のビジネスパーソンにとっても生体・医療知識が必須になってくると思います。抗体証明書、みたいな話を聞くと少し驚かれるかもしれませんが、黄熱病の予防接種証明書はブラジル滞在数週間を経たないと入国時に提示が必要な国が既にいくつもあります。個人的にはその対象になる疫病が一つ増えただけで大きなインパクトは感じませんし、必要なことだろうと思います。
身分証明書が証明することはなんなのか、を考えさせられます。特に日本では治安が良いこともあり、写真付き身分証明書がない稀有な国です。免許証やパスポートは主目的は他にあるわけですし、持ってない人もいます。
ブラジルはもちろん、諸外国には「身分証明書」自体があります。ブラジルではオフィスビルに入る時に必ず入り口で身分証をチェックされ、ID番号を登録されます。データを繋がれば自分がどこにいたか特定されます。
でもID自体で特定するのは写真・名前・生年月日・マイナンバーですが名前と生年月日でその人が「安全な人」かどうかを判断する情報はないわけですが、情報化の進展とともに今後はもっといろんな情報を載せるようになってくると思います。
安全性と引き換えにプライバシー情報を提供する時代。自分が管理されるのは嫌ですが管理されてない第三者と空間を共有することがもっと嫌、というトレードオフ。怪しいことをしたい人には窮屈な世の中になるかもしれませんが。