【解説】コロナ抗体検査は「外出してもOK」の目安になるか?

2020/4/18

「免疫証明書」の発行も検討

私たちはいつになったら日常に戻れるのか? あるいは、少なくとも「ニューノーマル」と呼べる時期が訪れるのはいつになるのか?
アメリカがいつどのようにしてビジネスや学校を再開できるかは、抗体検査の開発にかかっている。すでに新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうかを調べる血液検査だ。
抗体検査の結果、免疫を持っているとわかった人は、安心して職場に戻ることができるだろう。とりわけ、感染リスクが高い環境で仕事をしている医療従事者にとって重要な検査である。
米疾病予防管理センター(CDC)は先ごろ、人口のどれぐらいの割合が感染済みかを調べるために抗体検査を始めると発表した。米国立衛生研究所は10日、全米で1万人規模の抗体検査を実施すると発表。対象者は健康なボランティアを募るとした。
(Erin Schaff/The New York Times)
「1週間後ぐらいには、もっと多くの検査ができるようになっているだろう」と、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は10日、CNNに語った。
ファウチによれば、ホワイトハウスのコロナ対策本部では感染した人に「免疫証明書」を発行する案を検討しているという。
「外出制限の解除について考えるには、ウイルスがどれぐらい社会に浸透しているかを把握するのが大事だ。一定の条件下なら、(免疫証明書には)いくらかのメリットがある」
労働者を職場に戻すために免疫証明を発行するというアイデアは、イギリスやイタリアなど多くの国で検討されている。しかし、今のところ完璧な抗体検査は存在せず、精度に問題を抱えている。