[フランクフルト 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は16日、ユーロ圏での金融の分断を回避するためにECBはさらなる措置を講じる用意があると述べた。イタリア国債とドイツ国債の利回り格差が拡大していることが背景。

シュナーベル氏はオンラインセミナーで「(ECBは)金融政策の円滑な伝達を阻みかねない分断の回避に向け、有するあらゆる手段を必要に応じて調整する用意がある」と述べた。

その上でECBの資産買い入れ策について、買い入れ対象を決定するにあたり、ECB、およびユーロ加盟19カ国の中央銀行は可能な限り柔軟に対応していると述べた。明言はしなかったものの、3月にイタリアの債券の買い入れが大きく膨れ上がったことを念頭に置いた発言とみられる。

ユーロ圏のインフレ率については、短期的にはかなり低下するとの見方を示しながらも、世界各国が協調した行動を取っていることには勇気づけられると指摘。ユーロ圏のインフレ率が向こう数年間でECBが設定する目標に向けて徐々に上昇していくとの予測が民間部門で出ていることに言及し、「世界各国の当局と中央銀行がこれまでに取った迅速で断固とした措置が、慎重ではあるが民間の予測機関の信頼感の回復につながっていることを示す暫定的な証拠は得られている」と述べた。

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