[ドバイ 15日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は15日、中東各国の経済が今年縮小し、マイナス幅は2008年の世界的な金融危機や15年の原油価格ショックの時よりも大きくなるとの見通しを示した。新型コロナウイルス流行が響く。

石油輸出への依存度が高い中東の国々は、石油需要の減少や、12日まで続いたサウジアラビアとロシアの市場シェア争いによって引き起こされた原油急落の圧力を受ける見通し。

IMFによると、域内石油輸出国の実質国内総生産(GDP)は今年、4.2%減少する可能性がある。昨年10月時点では2.1%増を見込んでいた。各国の石油輸出は2500億ドル超減少するとみられている。

IMFは12日に産油国が減産合意したことについて、原油価格をある程度支援する可能性があるとしつつ、「原油価格の下落幅があまりに大きいため、財政・輸出収入は域内全ての石油輸出国で減少する見通しだ」とした。

IMFによると、中東全体の今年の経済成長率はマイナス2.8%と、2019年の1.2%成長からマイナスに転じる見込み。ただ、来年は新型コロナウイルス流行の脅威が後退するとして、4%のプラス成長を達成する見通し。

今年のサウジ経済は2.3%縮小する見込み。従来予想は2.2%の実質成長率を見込んでいた。19年は0.3%のプラス成長だった。

中東で新型コロナの影響が最もひどくなっているイランは50億ドルの緊急資金支援をIMFに求めている。IMFによると、同国経済は今年6%縮小する見込み。