[東京 16日 ロイター] - アジア時間の原油先物相場は、前日の急落の反動で小幅高。新型コロナウイルス感染拡大に伴い需要が落ち込む中、米原油在庫の大幅積み増しを受けて、生産者は大幅減産をせざるを得なくなるとの見方が背景にある。

0502GMT(日本時間午後2時02分)時点で、北海ブレント原油先物<LCOc1>は0.36ドル(1.3%)高の1バレル=28.05ドル。

米WTI先物<CLc1>は0.10ドル(0.5%)高の同19.97ドル。

オーバーナイトでは、15日発表の週間統計で米原油在庫が1900万バレル増と、週間の増加としては過去最大となったことが嫌気され、WTIは2002年2月以来の安値を記録、北海ブレントも6%超下落した。[nL3N2C34CE]

また、国際エネルギー機関(IEA)が15日公表した月例報告によると、新型コロナウイルス感染症の世界大流行の影響で、4月の石油需要が25年ぶりの低水準に落ち込む見通し。[nL3N2C32GC]

アクシコープのチーフマーケットストラテジスト、スティーブン・イネス氏は「直感と相いれない考えだが、大幅な在庫積み増しが原油相場の下支え要因となった。在庫増加は近く油井閉鎖が相次ぐことの前兆であり、それは米国の原油供給の減少を意味するからだ」と分析した。

INGはリポートで「今四半期の需要の崩壊の規模を踏まえると、OPECプラスの減産で近く市場の均衡を取り戻せることはない」と指摘した。

一部の国は戦略的石油備蓄を増やす方針を示しているが、積み増せる備蓄量には物理的な限界がある。

イネス氏は「原油価格のさらなる崩壊を防ぐには」追加の減産が必要だとの見方を示した。

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