和田崇彦 木原麗花

[東京 14日 ロイター] - 日銀は27―28日の金融政策決定会合で、企業の資金繰り支援策の拡充を議論する見通しだ。複数の関係者によると、社債やCP(コマーシャル・ペーパー)の買い入れ額を再び増やすことや、適格担保の拡大が選択肢になるもようだ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞を受け、日銀は3月の決定会合で企業金融の支援策を打ち出したが、政府の緊急事態宣言や各自治体による休業要請で、企業の資金繰りはさらに悪化が見込まれる。日銀は資金繰り支援を徹底するため、さらなる対策について検討する。

日銀の黒田東彦総裁は9日の支店長会議で「企業の資金繰りは悪化している」と言明。3月調査の日銀短観でも、企業の資金繰りが悪化していることが確認された。

3月の決定会合で、日銀は社債の買い入れ額を4.2兆円、CPの買い入れ額を3.2兆円に増額。新型コロナの影響で資金繰りが悪化する企業をターゲットに新たなオペを創設し、これまでに合計約4兆円の資金を供給した。

ただ、大企業からは、社債やCPの発行に不安があるとの声が出ている。日銀内では社債やCPの購入を一段と増やすことで、市場を支援する必要があるとの声が出ている。

新たなオペは社債や短期社債といった企業債務を担保にするが、オペの担い手は大手銀行が中心。幅広い地方銀行の参加を促すため、適格担保を拡大する必要があるとの指摘が出ている。

関係者によると、決定会合に向けた議論はまだ緒についた段階。日銀は情勢を見極めつつ検討を進め、決定会合で最終的に判断する。