[北京 10日 ロイター] - 中国商務省の任鴻斌次官補は10日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で対外貿易が前例のない厳しい状況に直面するなか、輸出向けの商品の国内販売を奨励する方針を明らかにした。

「新型コロナ感染が世界中に急速に拡大しているため外需が落ち込んでおり、貿易会社にとって最大の問題は注文の激減だ」と同次官補は述べた。

貿易会社は軒並み注文のキャンセルや先延ばしに見舞われており、新しい注文をとりつけるのは極めて困難な状況という。同次官補は「新型コロナを巡る先行き不透明感が、対外貿易動向の最大の不確定要因になっている」と指摘した。

新型コロナが内外に及ぼす影響により、2020年の中国の経済成長率は2.0%近くまで落ち込む可能性があり、過去40年余りで最低水準を記録すると専門家らは予想している。

今年1━2月の中国の輸出は前年同期比17.2%落ち込み、2019年2月以来の大幅減となった。輸入は前年同期比4%減った。

中国政府の貿易セクター支援策には、オンラインの見本市の開催を加速させることや、国内販売でオンラインの小売業者と協力したり、サプライチェーン安定化のために貿易相手と協調するよう輸出業者を指導することなどが含まれているという。