[ロンドン 6日 ロイター] - 欧州の取引所大手ユーロネクスト<ENX.PA>のステファン・ブジュナ最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルスによる市場の混乱を受けて買収標的の魅力が高まった可能性があるとし、イタリア取引所への関心を親会社のロンドン証券取引所(LSE)<LSE.L>に伝えたことを明らかにした。

ロイターのインタビューで述べた。

LSEは金融情報会社リフィニティブを270億ドルで買収する計画で、欧州連合(EU)競争当局の承認を得るためイタリア事業の売却を迫られる可能性があるとの観測が浮上している。

ブジュナ氏は、LSEはイタリア取引所の売却を検討しない意向を明確にしているものの、新型コロナの影響で状況は変わるかもしれないと指摘。「イタリア取引所は売りに出されていないが、危機終息後にどうなっているかは誰にもわからない。われわれは(同社に)関心があることをLSEに伝えた」と語った。

また、データや分析、取引後のサービスといった分野への買収にも関心があるとした。

ブジュナ氏は、新型コロナの影響によりほぼすべての従業員が自宅から働く中で取引所の売買高が記録的水準に膨らんでいる状況について、「今回の危機は取引所運営会社にとって究極のストレステストであり、当社は合格した」と言明。「市場を閉鎖すれば、望ましくない影響や混乱が生じると誰もが理解していた」と述べた。

ユーロネクストの取引所における3月の株式取引は前月比92%、前年同月比では197%増加した。同社の売上高の40%は取引所売買高に左右されることから、ブジュナ氏は売上高の大幅な伸びが見込まれると述べた。