[ソウル 7日 ロイター] - 韓国のサムスン電子<005930.KS>は7日、第1・四半期の営業利益が前年同期比3%増加するとの見通しを示した。市場をやや上回った。半導体販売の堅調が、新型コロナウイルス感染拡大によるスマーフォン事業やテレビ事業への影響を補った。

新型コロナ感染拡大で在宅勤務が増えたことからラップトップメーカーやデータセンターからの半導体需要が拡大した。

ただ、同社は携帯端末や家電については上位モデルの主要市場である欧米が新型コロナによる打撃を受けているため、第2・四半期に販売がさらに大きく圧迫されるとみている。

第1・四半期の営業利益は6兆4000億ウォン(52億3000万ドル)の見通し。前年同期は6兆2000億ウォンだった。リフィニティブ・スマートエスティメートのアナリスト予想は6兆2000億ウォン。

売上高は5%増の55兆ウォンの見通しで、市場予想の55兆6000億ウォンとほぼ一致した。

同社は3月に、新型コロナウイルス感染拡大が今年のスマートフォンや家電の売上高に影響を及ぼす一方、データセンター向け需要が半導体市場の回復を後押しするとの見通しを示していた。

メリッツ証券のアナリスト、Kim Sun-woo氏は、半導体は第2・四半期に堅調な売り上げが見込まれるが、モバイル事業は低迷するとの見方を示した。「モバイル事業は第1・四半期にコロナ感染拡大の影響を受けたが、第2・四半期にさらに大きな課題に直面する。欧米が現在最も(ウイルス感染で)深刻な打撃を受けているからだ」と説明した。

ハナ・フィナンシャル・インベストメントはハイエンドスマホの需要鈍化を理由に、サムスン電子のスマホ出荷台数予想を従来の3億台から2億6000万台に最近引き下げている。

<半導体事業は堅調>

サムスンはこの日公表した暫定決算で事業ごとの収益見通しを公表していないが、アナリストは、2019年に営業利益の半分以上を稼いだ半導体事業の第1・四半期利益は、予想を超えると見込んでいる。

新型コロナ感染拡大で在宅勤務が増えるなか、ネット配信やクラウドなどのサービスを支えるデータセンター向けの半導体需要が増加しているという。

業界調査会社DRAMeXchangeによると、データの一時保存に使う半導体メモリーであるDRAMの価格は1月から3.5%超上昇している。

大信証券のアナリストPark Kang-ho氏は「DRAMメモリーチップの需要は低迷した可能性が高いが、データセンターからのサーバー用DRAMの需要は第1・四半期に引き続き増加した」との見方を示した。

ただ、アナリストらは新型コロナ危機がさらに長期化すれば、半導体セクターにも影響が波及する可能性があるとみている。

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