【解説】「中国版スタバ」偽りの急成長を暴いた告発文書

2020/4/4
設立から半年で評価額10億超のユニコーン企業になり、18カ月で米ナスダックに上場——。
絵に描いたような急成長で中国のスタートアップを代表する存在になった新興コーヒーチェーンのラッキンコーヒー(瑞幸咖啡)。同社が4月2日に発表した巨額の不正会計に、中国が揺れている。
ラッキンコーヒーによると、2019年4月から12月末までの売上高のうち、22億元(約335億円)について架空計上などの粉飾があったという。
同社の1月〜9月末の売上高は29億元なので、大半が不正に計上されたものだった可能性がある。
同社がナスダックに上場するADR(米国預託証券)は2日、取引開始直後に80%超下落した。
(写真:gettyimages/Barcroft Media )
ラッキンコーヒーは2018年1月に北京と上海でコーヒーショップをオープンし、ネット注文と配送を武器に急成長した。Online Merges with Offline(オンラインとオフラインの融合、OMO)の成功例として知られていた。
2019年5月には米ナスダックに株式(ADR)上場。現在、中国国内の店舗数はスターバックスを上回っている。
一方で、巨額の成長投資を続けながら、赤字覚悟の値引きクーポンを大量に発行して集客する戦略の危うさが指摘されてきた企業でもある。
ラッキンコーヒーに何が起きたのか。
異次元の粉飾を解説する。

きっかけは匿名報告書