[30日 ロイター] - 英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル<RDSa.L>は原油価格の急落を受け、米ルイジアナ州で大型の液化天然ガス(LNG)輸出基地を建設する計画から撤退した。提携相手の米エナジー・トランスファー<ET.N>は同計画を進めるかどうかの最終決定を来年に先延ばしすると発表した。

同事業は、米国のシェールブームを受けて計画された大型LNG設備の1つで、当初の予定では、エナジー・トランスファーの既存のLNG輸入・再ガス化設備を大型の輸出基地に転換することになっていた。

シェルの統合ガス・新エネルギー部門の責任者、マーテン・べツェラー氏は文書で「同プロジェクトは長期的になお実現可能で、メリットがあると考えるが、シェルが投資するのに適切なタイミングではない」と説明した。

エナジー・トランスファーは、同基地を建設するかどうかについて、2021年初めまでに最終投資決定を下すと表明。従来は2020年遅くまでに決定するとしていた。

シェルは前週、今年計画していた設備投資額を50億ドル減らし、200億ドル未満にするとともに、250億ドル規模の自社株買いを停止すると発表した。[nL4N2BG5JT]

調査会社ジェンスケープのアリソン・ハーリー氏は「新型コロナウイルスに伴うさらなる需要の減退や価格の下落継続を踏まえると、年内の最終投資決定を目指していた他のプロジェクトも決定が延期される可能性が非常に高い」と指摘した。