[上海 30日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は30日、7日物リバースレポ金利 <CN7DRRP=PBOC>を2.20%に設定し、前回(2.40%)から20ベーシスポイント引き下げた。引き下げは昨年11月以来、3回目で、引き下げ幅は過去5年近くで最大だった。

人民銀は、引き下げの理由を明らかにしていない。

馬駿・人民銀金融政策委員は、中国には金融政策の調整余地がかなりあるとの認識を示した上で、リバースレポ金利引き下げのタイミングは、国内企業の操業再開や世界的な新型コロナウイルスの感染拡大状況、対外的な経済状況の悪化を考慮して決定したとした。[nT9N28N02M]

キャピタル・エコノミクスは顧客向けノートで「新型コロナウイルス危機以前のトレンドに経済を復帰させるには、一段の緩和、特に財政の面での緩和が必要になるだろう」と述べた。

方正証券のチーフエコノミスト、Yan Se氏は、リバースレポ金利の引き下げは、前週の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で中国が示した新型コロナ危機への対応、金融市場の安定化に向けた方針に沿うものだと指摘。量的緩和や大幅な利下げといった措置が各国で打ち出されていることを挙げ「中国は主要国のなかで唯一大規模な緩和措置を実施していない」と述べた。

人民銀はこの日、30日ぶりにリバースレポも実施し、500億元(70億米ドル)を供給した。

中国国債10年物先物は当初、リバースレポ金利の引き下げを好感し、0.23%上昇したが押し戻され0.1%安となっている。

ANZ(上海)の市場エコノミスト、Xing Zhaopeng氏は、27日に中国共産党中央政治局の会議があったことを指摘。

共産党中央政治局は27日、今年の経済成長率や社会発展の目標達成に向け、政府が政策措置を強化し、執行を厳格化していくと表明した。

ANZのZhaopeng氏は、今月、中期貸出ファシリティ(MLF)金利と最優遇貸出金利(LPR)が同程度引き下げられるとみている。

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