[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米国株式市場は反落。米国内の新型コロナウイルス感染者数が増加し、米経済見通しを巡る不透明感が強まる中、3日続伸していたダウ工業株30種<.DJI>は週末を前に900ドル超安で取引を終了した。

米疾病対策センター(CDC)によると、26日夕時点で米国内の新型コロナ感染者数は8万5000人を突破。死者も1200人を超えた。感染者数は中国、イタリアを超え世界最多となった。

ナスダックIRインテリジェンスのシニアアナリスト、マスード・ギャウシー氏は、新型コロナ流行による経済的影響について「全容はまだ分からない」とし、「ウイルス感染拡大制御と経済活動再開のバランスが政策担当者の注目点だろう」と述べた。

米議会下院が2兆2000億ドル規模の新型コロナ関連経済対策法案を賛成多数で可決したものの、株価押し上げには至らなかった。トランプ大統領は引け後に署名し、法案は成立した。

経済対策への期待や、米連邦準備理事会(FRB)が打ち出した一連の対応を受け、S&P500<.SPX>は今週10.2%上昇し、2009年以来の好成績となった。ダウは前日までの3日間に21%急伸し、3営業日での上昇としては1931年以来の水準となった。

しかし、アリー・インベストの首席投資ストラテジスト、リンジー・ベル氏は「週末の動向が来週の市場の動きの鍵を握る」とし、「週末にニューヨーク州などで新型コロナ感染が加速し、病院の収容能力が限界に迫れば、来週の市場は荒れ模様となるだろう」と述べた。

この日発表された指標では、3月の米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値が89.1と、2016年10月以来の低水準に沈んだ。新型コロナの世界的大流行が景気見通しを悪化させていることが示された。

個別銘柄では、ボーイング<BA.N>が10%急落。デルタ航空<DAL.N>、アメリカン航空<AAL.O>、ユナイテッド航空<UAL.O>も軒並み6─11%安となった。

ムニューシン米財務長官が、新型コロナに対処する経済対策法案について、航空業界の救済でないと改めて表明し、ボーイングは政府支援を要請していないと強調したことが材料視された。

原油相場の下げに伴い、エネルギー株<.SPNY>は6.9%安。セクター別では最大の下げを記録した。

銀行株<.SPXBK>も4.6%安。米債利回りの低下に追随した。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.17対1の比率で上回った。ナスダックでも2.98対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は134億株。リフィニティブのデータによると、3月5日以来の低水準だった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 21636.78 -915.39 -4.06 21898.4 22327.5 21469.2 <.DJI>

7 7 7

前営業日終値 22552.17

ナスダック総合 7502.38 -295.16 -3.79 7554.25 7716.24 7491.14 <.IXIC>

前営業日終値 7797.54

S&P総合500種 2541.47 -88.60 -3.37 2555.87 2615.91 2520.02 <.SPX>

前営業日終値 2630.07

ダウ輸送株20種 7699.18 -346.29 -4.30 <.DJT>

ダウ公共株15種 758.93 +1.01 +0.13 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1488.75 -83.86 -5.33 <.SOX>

VIX指数 65.54 +4.54 +7.44 <.VIX>

S&P一般消費財 790.18 -27.56 -3.37 <.SPLRCD>

S&P素材 278.30 -11.02 -3.81 <.SPLRCM>

S&P工業 498.02 -22.56 -4.33 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 550.05 -3.98 -0.72 <.SPLRCS>

S&P金融 349.66 -11.96 -3.31 <.SPSY>

S&P不動産 193.83 -0.14 -0.07 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 217.56 -16.20 -6.93 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 990.69 -24.49 -2.41 <.SPXHC>

S&P通信サービス 145.91 -6.23 -4.09 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1383.04 -66.78 -4.61 <.SPLRCT>

S&P公益事業 283.10 +1.47 +0.52 <.SPLRCU>

NYSE出来高 14.26億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 18880 - 200 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物6月限 円建て 18560 - 520 大阪比 <0#NIY:>

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)